片岡球子は北海道出身の日本画家です。1926年女子美術専門学校を卒業。両親に勘当されながらも画家を志し,横浜市の小学校教諭として勤めながら画作に励みました。
富士山といえば片岡球子の代名詞ですが、この2点はライフワークとして制作し続けた版画作品の中でも最大級の珍しい作品です。1992年にパリで行われた個展にも、版画作品としては唯一会場に屏風仕立てで展示され、多くの人の喝采を浴びました。
片岡球子の版画作品は作家自らが版を描くので、とても作品性が高いのが特徴です。
またこの作品は金泥で画面内に直接サインを入れている、とても貴重な作品でもあります。
この作品の出来栄えと、それに対する作家の自信がうかがえます。
どっしりと構える富士山の力強さを感じられる、版画作品の傑作です。