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浮世絵の刷を見極める

浮世絵の刷の良し悪しを見極めるためには、作品全体を眺めていたのでは判断できません。作品毎のポイントとなる細部を見ればスピーディーかつ的確に判断することができます。

・文字

文字というのは、木版画を制作するうえで最も細かい彫の技術を要します。よって文字がシャープに刷られているかどうかは、刷を判断する上で重要なポイントとなります。

・印

浮世絵のマージン等に版元の印などが押印されているものが良くあります。印がシャープかどうかも刷を判断するための材料となることがあります。

・髪

美人画の髪の毛の彫は1ミリの数十分の一という細かい彫を施しています。刷の遅い美人画では髪の毛は黒く塗りつぶされていても、刷の早い作品では髪の毛の1本1本まで確認できる場合があります。また髪の生え際もチェックする必要があります。

・雨

雨にも細い線が使われていることが多くあります。刷が後になるほど雨の線が太くなっていきます。

・ズレ

刷の良くない作品はほとんど、刷のズレも発生しています。

・枠線

刷の良くない作品はほとんど、枠線がきれいに刷れていません。


北斎 冨嶽三十六景 武州玉川 刷の良いもの





















<北斎 冨嶽三十六景 武州玉川 刷の良くないもの>


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