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浮世絵の裏打とは

浮世絵に裏打(裏に紙が貼られていること)がされている場合は、裏打をしなければいけない理由があったはずです。

よって裏打があるということはマイナス評価となります。そして裏打しなければいけない理由が大事になってきます。

作品を裏面から光に当てて透かしてみることで、その理由を推測する必要があります。

基本的に以下の3点の理由が考えられます。

a.画帳仕立にするため

b.紙が薄くなったため

c.補修を分からなくするため


まずは、裏打紙をよく見てみて下さい。裏打紙が新しい紙の場合はaの理由で裏打した可能性はほぼ有りません。aの場合は多くの場合は紙が古びています。

(ただし、わざと古い紙を探してきて裏打する例もあるので要注意)


aの場合は裏打を剥がせば良いので問題ありません。シワなども取れて状態が良くなります。

ただし化学糊などの強力な糊で裏打されている場合は剥がせません。また明治以降のアニリン系の赤は水で流れ出すので剥がすことは困難となります。

bの場合は裏打を剥がすことができないので、マイナス評価となります。

また、裏打を剥がして本紙が薄かった場合は紙がそっくり返ってしまう場合が多いです。

cの場合は補修があるのでマイナス評価となります。



<芳年 藤原保昌 月下弄笛 >



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