浮世絵の初刷とは最初に刷る200枚(一杯と表現します)のことです。初刷は絵師立ち合いのもとで指示・制作されます。そして初刷以降に再度刷る場合は絵師が立ち会わないので、摺師の裁量で違う色が使用されることや、ぼかし等の手間がかかる技術を省略することがあります。
浮世絵作品について、初刷かどうかを断定するのは難しいことです。またエビデンス(証拠)もありませんから、プロの業者でも「初刷の手」「かなり刷が早い」などの表現を使います。ただし、かなり研究が進んでいる作品については初刷と断言しても良いと思います。(例 広重 名所江戸百景・東海道五十三次 保永堂など)
また、新版画の初刷は200枚以上あると思われるため「初期刷」という表現をする場合もあります。
刷の良い作品と悪い作品ではまるで別作品のように感じることもあります。
(例)広重 名所江戸百景 両国花火
<両国花火初刷>
<両国花火>
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